『エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方』(RoyOsherove著 島田浩二訳)のレビュー

どういう内容のほんなのか

どんな人が書いているのか

Roy Osherove 著

カリフォルニアにあるDell EMCのウェスト・コート拠点で、DevOpsプロセスリードという職についている。
世界中のチームやトレーニングのコンサルティングをし、国際的なカンファレンスも行っている。
『The Art of Unit Testing』『Enterprise DevOps』の著者

島田浩二 訳

2009年に株式会社えにしテックを設立。Ruby札幌の主宰でRubyの関係を深め、2011年から一般社団法人日本Rubyの会の理事も務める。
『Rubyのしくみ』『なるほどUnixプロセスーRubyで学ぶUnixの基礎』などの訳書・著書

どんな人に向いているのか

リーダーシップを取る立場を受けようとしていたり、実際にリーダーシップをとる立場にいる人が対象。
これ以外に、他人の人に関与する意思決定を行う立場にいる人も職業生活を改善する方法を学ぶのに役に立つ。

伝えたいこと

チームには3つのスタイルがあり、リーダーもスタイルに合わせなければチームは成長できない。
1部でエラスティックリーダーシップを理解し、2,3,4で3つのスタイルを掘り下げている。
5,6では海外、国内でリーダーシップを発揮している人のエッセイ集だ。

1部の概要は以下の通り。

■サバイバルモード
チームに学習する時間が十分にない状態。
リーダーは指揮系統型のリーダーシップを取り、メンバーに意思決定し伝える。
特徴としては、学ぶ時間がなく、遅れと残業が発生している。
残業を減らし、ゆとり時間を作り学習モードに移り変わる。

■学習モード
時間に十分なゆとりがあり、その時間を使って学習や検証を行っている状態。
リーダーはコーチ型として振る舞い、自分たちの問題を自力で解決できるよう教え、挑戦させることによって、チームを自己組織化チームへ育てる。
メンバーの誤った決定も受け入れ、時間がなくなれば指揮系統型として介入する。
また、意思決定の委任も行いチーム自信で自分たちの問題を解決できるように教えることで、自己組織化モードに移り変わる。

■自己組織化モード
リーダーが心配なく数日間仕事を放置できる状態。
リーダーはファシリテーターとして振る舞い、チームの状態を維持すること。
メンバーは自分たちで意思決定でき、衝突など内部で解決できる能力を持っている。
チームへの要求が変わったり、会社のダイナミクスが変わることでサバイバルモードに移り変わる。

2,3,4部では具体的な動き方があるのでぜひ読んでほしい。

この本を読んだ感想

一番印象に残ったのは「チームリーダーマニフェスト」で、以下のようにまとめられている。

我々は次のことを信じている
・偉大なチームは成長によって作られる。雇うことで作られるものではない。
・チームリーダーの目標は、チーム内の人々のスキルを自己組織化にいたるまで継続的に成長させることだ。
・幸せなチームは顧客と雇用主の両方を幸せにする。このゴールに到達するため、私たちは常に次のことを追求しなければならない。
 ・全員が安全地帯にとどまるのではなく、自分自身とチームがより良くなるために挑戦していく。
 ・特定のリーダーシップスタイルを押し付けるのではなく、必要に応じてリーダーシップスタイルを変化させる。
 ・マシンとばかり向き合うのではなく、人とのやりとりに参加する。

すごく刺さる。
優秀な人が中途採用で入ったからといって優秀なチームにはならない。チームとして自己組織化するよう成長しなければいけなかった。
また、コミットメント言語も面白かった。
できない余地を残す言い方はせず、自分の制御下にあることにフォーカスして宣言することが大事。
例えば、「今週中にこのバグを直す」はバグの原因や修正方法が明確な場合のみ宣言することができる。
しかし明確ではないときは「このバグを直すために、今週は毎日5時間取り組む」となるわけだ。
昔、上長に報告するときもモヤモヤしながら「直します」って報告してたのって、自分の制御下に無い物事に対してコミットするって宣言するからストレスになってたんだなって思った。

いいたことが明確で各章が短編で読みやすいのでぜひ読んだほうがよい本。
この本に出会わせてくれた会社の人に感謝。